日本化學雜誌
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圧力飛躍法によるイオン性溶液中の反応の速度論的研究
大杉 治郎佐藤 昌憲藤井 建
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1968 年 89 巻 6 号 p. 562-565

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抄録

液相高速反応の研究に関しては緩和法による解析方法が開発され,最近のその成果はいちじるい。そこで緩和法のうち,まず圧力飛躍法の装置を作成した。圧力上昇法では,試料に加える圧力を1atmから100atmまで変化させるのに約2×10-2秒以内に行なうことができた。また圧力降下法では約55atmから1atmへさげるのに要する時間は5×10-4秒以下であった。
これら両方の装置の性能を検査するため,まず二酸化炭素の水和反応について実験を行なった。その結果25℃ における二酸化炭素の水和の速度定数に対しk1=3.1×10-2l/mol・secをえ,他の方法による値と比較して本装置が有用であることが判明した。
つぎにホウ酸の三量化反応については本装置を用いて実験を行なって,三量体生成の速度定数に対し25℃ てにおいてk1=3.5×103l2/mol2・secをえた。

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