日本化學雜誌
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塩化プレニルの触媒による縮合
田中 順太郎片桐 孝夫山田 恵敏
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1966 年 87 巻 8 号 p. 877-879,A48

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抄録

近年になって,イソプレンからテルペン類を合成する研究が注目をあびてきた。現在まで,イソプレンのテロメル化反応などによるテルペン類の合成について報告されているが,塩化プレニルの塩化鉄(III)による縮合反応によって興味ある結果が得られた。
イソプレンとハロゲン化水素酸との反応により,ハロゲン化プレニルを合成し,これのベンゼン溶液に触媒量の塩化鉄(III)を加えると,ただちに縮合反応が進行した。反応生成物は加水分解し,テルペンアルコールとして,ガスクロマトグラフ法,薄層クロマトグラフ法および赤外吸収スペクトル法を併用して分析確認を行なった。
ハロゲン化プレニルの合成においては,反応温度を低くし,時間を延長すると収率が向上することがわかった。また縮合反応によって生成したテルペンアルコールのうち二量体成分は主として,リナロール,ゲラニオール,ラバンジュロール,α-テルピネオール,およびネロールであることが確認された。

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© The Chemical Society of Japan
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