日本化學雜誌
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複素環化合物における環内窒素の簡易微量定量法(その1)窒素-窒素結合を含まない複素環化合物
森田 弥左衛門小暮 幸全
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1966 年 87 巻 8 号 p. 863-867

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抄録

クロム酸-硫酸系による含窒素複素環化合物の酸化分解を研究し,窒素-窒素結合を有しない窒素異節原子はすべてアンモニアになることを確認した。この場合生成したアンモニアの一部が硝酸にまで酸化されるが,デバルダ合金によってアンモニアに還元できる。この原理を複素環化合物中の環状窒素の定量に応用しつぎのような方法を提案した。環状窒素として100~500μg相当量の試料を,とくに改造したKjeldahlフラスコ中で,濃硫酸とクロム酸溶液により200°~220℃で酸化分解したのち,トラップ中の吸収液とデバルダ合金をフラスコに入れ,加熱して還元する。さらにこれを普通の蒸留装置に移して蒸留し,留出液中のアンモニアを既報の方法で測定する。
本法によって46種類の複素環化合物を分析し,良好な結果を得た。

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