日本化學雜誌
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数種のジアルキルアリールアミンオキシドの構造とポーラログラフ的挙動
伊達 佳男多田納 茂
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1964 年 85 巻 9 号 p. 525-529,A43

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抄録

N,N-メチルエチルアニリンオキシドおよびN,N-ジエチルアニリンオキシドのポーラログラフ的挙動は弱酸性溶液中における2段波の出現,波高およびE1/2に対するpHの影響などから,溶液中におけるカチオン型および水加型の存在を考慮に入れて推定したジメチルアニリンオキシドの電極還元機構(既報)を同様に適用して解釈することができる。これら3種のE1/2にほとんど差異がないのにもかかわらずもとのアミンのpK6にいちじるしい差異のあることから,遊離アミンに存在すると推定される立体ヒズミが第四アンモニウムイオンにおいては消失するものと考えられる。
N,N-ジメチル-α-ナフチルアミンオキシドも酸性溶液中ではカチオン型に基づくと思われる1段波を与えるが,ジメチルアニリンオキシドにくらベアミンのpK6,はより小さく,かつE1/2はより陽電位側にある。また,ピリジンオキシドはアミンのpK6がジメチルアニリンとほぼ同程度であるにもかかわらずそのオキシドカチオンのE1/2は約0.58Vより陰電位側にある。

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