日本化學雜誌
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ルテニウムのチオシアン酸錯体としての分光光度定量
岡 好良加藤 豊明
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1963 年 84 巻 3 号 p. 254-258,A18

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抄録

種々の溶存条件においてルテニウムの吸収スペクトルを測定し,これらの化学種からチオシアン酸錯体として比色定量する某礎的研究を行なった。各種酸化状態のルテニウムは,酸性溶液でチオシアン酸塩とともに加温するとチオシアン酸イオンによる還元と錯体生成が同時に起って紫青色に発色する。この錯体は585mμに吸収極大を有し,分子吸光係数は約5900である。酸性度を塩酸で1.0mol/lまでにととのえ,0.5mol/lチオシアン酸アンモニウム水溶液として70℃で15分間ほど加温してから585mμの吸光度を測定して1ppm程度までの微量ルテニウムの定壁が行なわれる。他の白金属元素のうちオスミウムは同一条件で橙色錯体をつくり,多量の共存は定量を妨害する。

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