日本化學雜誌
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トリウム,ウラン,希土類の数種の炭化物の結晶構造と加水分解生成物との関係
菅野 出可知 祐次
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1962 年 83 巻 5 号 p. 565-569,A35

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抄録

ランタニド,アクチニド系の二,三の炭化物,LaC2CeC2,ThC,UC,ThCについて,その加水分解によって発生する炭化水素ガスをガスクロマトグラフにより定性,定量分析を行ない,もとの炭化物の結晶構造との関係を調べた。その結果NaC1型構造をもつ炭化物では発生ガスはすべてメタンであり,またCaC2型の二炭化物においては発生ガスはエタン,エチレン,アセチレンなどで結晶中のC2グループの存在が確認きれ・さらにその結晶中の炭素同志の原子問距離は発生する炭化水素の割合に比例するような関係が得られた。
このことから結晶中における炭素原子間の距離はこれら一重,二重,三重結合の共鳴によってできており,分解に際してそれらの結合性質をもった炭化水素が,その重畳性にしたがって発生するとの推論を行なった。

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