1962 年 83 巻 2 号 p. 218-222,A15
アルデヒドコリジンの直接クロム酸酸化によって合成した2-メチル-5-アセチルピリジンを原料として種々の2-メチル-5-置換ピリジン誘導体の合成をこころみた。2-メチル-5-アセチルピリジンをジオキサン溶媒中,硫化アンモニウムとイオウを加えて加圧下で反応を行なうと2-メチル-5-ピリジンアセトアミドが得られ,アセトアミドのHofmann反応によって2-メチル-5-アミノメチルピリジンを合成した。またアセトアミドより2-メチル-5-ピリジル酢酸およびそのエステルを合成した。つぎに2-メチル-5-アセチルピリジンをギ酸アンモニウムと反応させてギ酸塩としたのち2-メチル-5-(α-アミノエチル)ピリジンを得た。ラネ-ニッケルあるいはラネ-コバルト触媒による2-メチル-5-アセチルピリジンの高圧接触還元,塩酸酸性溶液中亜鉛アマルガムによる還元,あるいはアルカリ存在下でのアセチルピリジンのヒドラゾンの還元においては,2-メチル-5-エチルピリジンあるいは2-メチル-5-(α-オキシエチル)ピリジンを得た。2-メチル-5-アセチルピリジンを次亜臭素酸塩で酸化すると6-メチルニコチン酸が得られ,オルトギ酸エチルエステルとの反応では2-メチル-5(α-ジエトキシエチル)ピリジンが得られた。2-メチル-5-アセチルピリジンのカルボニル基に隣接する活性メチル基の反応としては,ハロゲン化により2-メチル基-プ質ムアセチルピリジンおよび2-メチル-5-クロルアセチルピリジンを合成し,2-メチル-5-プロムァセチルピリジンからはDelepine反応によって2-メチル-5-アミノアセチルピリジンを得たアクリロニトリルによるシアノエチル化では1,1,1-トリ-(β-シアノエチル)メチル-2-(2'-メチル-5'-ピリジル)ケトンが得られた。
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