新らたに合成した1,2,3-シクロヘキサントリオン-1,3-ジオキシムならびに他の種々の1,2-ジケトンモ ノオキシムを用いて,それらの鉄(II)錯体の有機塩基性溶液中での可視部吸収スペクトルを測定した。また種々の1,2一ジオキシムを用いて同様に測定した。その結果,上記の鉄(II)錯体の吸収帯の位置は配位する塩基の種類により移動する。モノオキシムまたはジオキシムの種類が異なっても,配位する塩基の種類が同じであれば吸収帯の移動の大きさは同じであることを見いだした。このことはモノオキシムならびにジオキシムの鉄(II)錯体の構造の類似性を裏づける事実と考えられる。

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