1960 年 81 巻 3 号 p. 454-457
ニトリロ三酢酸 (NTA)を滴定試薬として, ニッケル, 銅, 亜鉛およびカドミウムの直接滴定を行なった。溶液の水素イオン濃度の調節にはアンモニア-塩化アンモニウム緩衝溶液を用いた。ニッケル, 銅および亜鉛の場合は, それぞれ pH 8.2, 8.2, 9.1 のもとでムレギサイド (MX) を指示薬とすると,滴定終点において黄色から赤紫色に鋭敏に変化がおこり, 容易に滴定できる。またカドミウムはピロカテコールバイオレット (PV) を指示薬とすれば, pH=10.2 のもとで滴定が可能であり, 滴定終点において濃青色 → 赤紫色の明瞭な変色がおこる。ニッケルの滴定については, マグネシウムまたはカルシウムが共存する場合についても検討を行なった。
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