日本化學雜誌
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チオシアン酸塩を用いる新比色定量法(第15~17報) (第17報)接触反応による微量臭化物の新比色定量法
塩田 勝内海 喩岩崎 岩次
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1959 年 80 巻 7 号 p. 753-757

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抄録

O.1ppm以下の濃度の微硫の臭素を感度よく簡易に定量できる方法はほとんど知られていない。雨水および河川水などの天然水の微量臭素を定量する目的でこの研究を行なった。著者らは,硫酸酸性において過マンガン酸カリウムでヨウ素Kオンをヨウ素酸まで酸化するとき,微量の臭素が存在すると,この酸化を接触的に促進することを発見した。この接触反応を用いて,きわめて微量の臭素イオンの新らしい定硫法をつくった。試料溶液に適量のヨウ化カリウムと硫酸を加え,ある一定温度にしてから,一定量の過マンガン酸カリウムの溶液を添加し,淀時間後に四塩化炭素を加えてはげしくふりまぜ,ヨウ素を抽出する。この揚合遊離ヨウ素の濃度は,臭素イオンの濃度が大きいほど小さくなる。四塩化炭素中のヨウ素を前報のようにチオシアン酸水銀法で発色させて吸光度を測定し,問接に臭素を定量する。本法で0.003~0.5ppm臭素イオンが定量できる。

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