日本化學雜誌
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2-7エニルおよび2-(P-メトキシフェニル)-トロポンのメルカプト誘導体について
室井 忠
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1959 年 80 巻 2 号 p. 185-188

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抄録

2-フェニルおよび2-(P-メトキシフェニル)-トロポンの7-クロル誘導体に水硫化ナトリウムおよびメチルメルカプタンのナトリウム塩の作用によって,それぞれ相当する7-メルヵプトおよび7-メチルメルヵプト誘導体を合成することができた。
7-メチルメルカプト-2-フェニルトロポンは,アルカリやヒドラジンによりそれぞれフェニルトロポロンおよび7-ヒドラジノ-2-フェニルトロポンを与え,アンモニアによっては置換が起らなかった。この事実は7-位のメチルメルヵプト基がトロポロン類のメチルエニテルのメトキシル基と類似の反応性をもつことを示すものである。さらに2-メトキシ-7-メチルメルカプトトロポンに対するヒドラジン等の作用を検討し,つねにメトキシ基がメチルメルヵブト基よりも求核的試薬に対して反応し易い事実を認めた。

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