日本化學雜誌
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ポーラログラ7法による分析化学的研究(第28報)複合錯形成支持電解質の効用についてIII(EDTA-Na4P2O7基礎液での各種イオンとくにUO,22+の挙動について)
石橋 雅義藤永 太一郎永井 外代士岡本 浩一
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1959 年 80 巻 2 号 p. 166-168

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抄録

EDTA-Na4P207複合錯形成支持電解質溶液について基礎的に検討した。すなわち各種金属イオンの本溶液中における半波電位を測定するとともに,とくにウラニルィオンの還元波について詳細に検討した。ウラニル4オンはPH4.3~11.4にわたって双方の錯イオンを形成し二つの波を示す異常な現象がみられた。水銀だめの高さの影響および温度係数の測定などによって第1波にはkineticcurrentが含まれていることがわかった。したがって二つの波の高さは溶液中の両錯イオンの濃度比を示していない。これは複合錯形成支持電解質溶液を使用する場合の一つの特異な現象であって,エチレンジアミン四酢酸とピロリン酸との酸解離定数が類似していて,ウラニルイオンとの両錯イオンの安定度定数がいちじるしく相違していないことに基づくものと考えられる。

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