日本化學雜誌
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ネオトロンによるウランの定量
松山 秀雄原 正小山 久太郎
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1958 年 79 巻 8 号 p. 958-963

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抄録

トリウムのすぐれた比色試薬であるネオトロンはウランに対しても鋭敏な比色試薬となりうることを著者らが初めて認めた。そしてネオトロンによるウランの新しい分光光度定量法を確立した。すなわち定量のためには, 波長600mμ, pH領域は5.0~6.2, 試薬量は0.1%溶液の3cc以上,発色時のウランの最適濃度は2~8ppm等が必要な条件である。また1cmの液槽を用いたとき, 100γのウランに対する吸光度は600mμにおいて0.460である。本法は共存塩によってかなりの影響をうけるが, さきに報告したカラム・エクストラクション法によりその妨害を除去することができ, ウランについて満足すべき結果をえた。またカラム・エクストラクション法によりウランとトリウムを分離し, 本試薬により両者を定量することについて検討した。

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