日本化學會誌
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Ascorbin酸オキシダーゼの化學的性質(第十五報)
田所 哲太郎高杉 直幹齊藤 恒行
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1941 年 62 巻 2 号 p. 119-122

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抄録

著者等は既報1)の如くPoly-, Di-及びMononucleotidは共に強力なるAscorbin酸オキシダーゼ作用を有することを認め且つ鮭肝臟の酵素作用あるものも,豆もやし及びVitellineのParanuclein酸として燐含量を増加せしものも共に酵素力を増大しNucleotid特有の吸收スペクトルを現はす事を報告せり.本報告には米胚芽の調製品の酵素力と是が促進と阻止作用とある物質に就き得たる結果を下に記述すべし.
(1) 米胚芽の水溶性蛋白質中に強力なる酵素を含むも燐含量低くNucleotid特有の吸收帯を示さず.然るに之よりParanucleinを調製すれば燐含量を高め260mμに吸收帯を生ず.
(2) 水溶性物質除去殘液を強アンモニアにて處理して得たるParanuclein酸調製によるものは燐含量高く260mμに吸收帯あるも酵素力極微弱なり.之をMononucleotid調製處理を行ふときに始めて強力の酵素力を有するに至る.
(3) Ascorbin酸オキシダーゼ作用はVitamin Eにより促進されDiphtheria Toxinにより阻止せらるる傾向を有するが如し.

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