工業化学雑誌
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塩化ユーロピウム-塩化サマリウム-塩化ネオジム-ジ(2-エチルヘキシル)リン酸系の分離係数
松本 昭高辻 和彦平島 克亨塩川 二朗
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1971 年 74 巻 7 号 p. 1328-1331

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抄録

ジ(2-エチルヘキシル) リン酸の 1.Omol/l n-ヘプタン溶液とユーロピウム, サマリウムおよびネオジムの混合塩化物水溶液系について, 3元素の分配係数および相互の分離係数におよぼす3因子の影響を検討した。
3因子は塩酸濃度 (0.25, 0.50, 0.75mol/l), 全希土濃度 (0.25, 0.50, 0.75mol/l) および混合モル比 (Eu:Sm:Nd=1:5:100,1:5:10,1:2.5:10,1:5:1,1:1.25:1)である。実験は三元配置実験法で行ない, 分離係数についての結果を統計的に解析した。
混合系におけるユーロピウムの分配係数は単独成分のときに比べてサマリウムの分配係数に接近し, 両元素 (Eu+Sm)は類似の挙動を示した。そして両元素(Eu+Sm)の増加とともにネオジムの分配係数は減少し, ネオジムの抽出は抑制されることを認めた。
ユーロピウムとサマリウム, ユーロピウムとネオジムの分離係数に対し3因子のすべては高度に有意であり, ネオジムとの分離係数については交互作用の存在がみいだされた。
これら二つの分離係数ならびに混合系における3元素の分配係数はそれぞれ塩酸濃度, 全希土濃度および混合水溶液中のユーロピウム濃度の増加とともに減少した。

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