工業化学雑誌
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アルキルスズメルカプチドおよびその誘導体の熱分解
山地 安夫中川 善雄松田 治和松田 住雄
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1970 年 73 巻 9 号 p. 2009-2013

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抄録

三つの型の有機スズ硫化物の熱安定性および熱的挙動について検討した。熱安定性はR2Sn(SR')2>R2Sn(SCH2CH2COOR')2>R2Sn(SCHR''COOR')2の順であった。
R2Sn(SR')2,R2SnSの熱分解においては炭素骨格を保持した炭化水素,メルカプタン,硫化ジアルキル,硫化第一スズなどを生成した。R=Meではさらに不均化による生成物が得られた。一方,R2Sn(SCH2CH2COOR')2,R2Sn(SCHR''COOR')2においては分解生成物の間に顕著な差が認められ,主として次式で示されるような生成物を与えた。R2Sn(SCH2CH2COOR')2240℃→R2SnS+S(CH2CH2COOR')2
R2Sn(SCHR''COOR')2180℃→R2SnCHR''CO+R'SCHR''COOR'
以上の結果よりそれぞれの熱分解過程について考察を行なった。

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