工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
各種ハロゲン置換シリカ-アルミナ触媒によるクメンクラッキングおよび o-キシレン異性化反応
星野 利夫佐野 正勝四ッ柳 隆夫青村 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 73 巻 9 号 p. 1982-1986

詳細
抄録

種々のハロゲンで置換したシリカ-アルミナ触媒を使用して, クメンクラッキングおよびo-キシレン異性化反応を行なった。両反応において大幅な活性増加が認められた。すなわち,活性増加率はクメンクラッキングにおいてはフッ素,塩素,臭素,ヨウ素の順に増加し,とくにヨウ素置換触媒においては,その増加率は約20%であった。一方,o-キシレン異性化反応においては臭素,塩素,ヨウ素,フッ素の順に増加し,フッ素置換触媒においては約70%の活性増加率を示した。種々のハロゲン置換触媒による単位表面積当たりの反応活性は, 両反応とも単位表面積当たりの酸量に比例することがわかった。しかし,活性の順序は置換ハロゲン原子の電気陰性度の順とは必らずしも一致しないことなどから,ハロゲン置換によって発現した酸量は,ハロゲン原子による表面の誘起効果によるものではないことがわかった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top