1970 年 73 巻 9 号 p. 1982-1986
種々のハロゲンで置換したシリカ-アルミナ触媒を使用して, クメンクラッキングおよびo-キシレン異性化反応を行なった。両反応において大幅な活性増加が認められた。すなわち,活性増加率はクメンクラッキングにおいてはフッ素,塩素,臭素,ヨウ素の順に増加し,とくにヨウ素置換触媒においては,その増加率は約20%であった。一方,o-キシレン異性化反応においては臭素,塩素,ヨウ素,フッ素の順に増加し,フッ素置換触媒においては約70%の活性増加率を示した。種々のハロゲン置換触媒による単位表面積当たりの反応活性は, 両反応とも単位表面積当たりの酸量に比例することがわかった。しかし,活性の順序は置換ハロゲン原子の電気陰性度の順とは必らずしも一致しないことなどから,ハロゲン置換によって発現した酸量は,ハロゲン原子による表面の誘起効果によるものではないことがわかった。
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