工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
各種吸着剤の芳香族炭化水素選択吸着性
八木 徹也内本 建一志水 一宇広浜 三男
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 2 号 p. 326-330

詳細
抄録

潤滑油の吸着分離に使用する吸着剤を選ぶため,吸着剤の物性と選択吸着性,活性化の処理条件および寿命について検討した。吸着剤の芳香族炭化水素選択吸着量はBET表面積に比例し,シリカゲルがこの研究で取り上げた4種の吸着剤の中では活性が最大であった。
シリカゲルの活性化の最適処理温度は160℃ であり,180℃ 以上では表面積が減少し,永久的失活が起こった。
シリカゲルを直列に連結した2本の吸着塔に充填して60スピンドル油のくり返し吸着を行なうと,油中に含有する樹脂分が塔内に蓄積し,シリカゲルの活性を低下させる。メタノールで樹脂分を脱離させれば,シリカゲルは再生されるが,その活性は再生回数の増加と共に始めは急激に,次第にゆるやかに低下し,5回以上少くとも20回までは吸着量は殆んど一定であることを認めた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top