工業化学雑誌
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アミノラジカルによるアントラキノン-β-スルホン酸の核アミノ化
吉田 善一松本 利彦小田 良平
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1964 年 67 巻 1 号 p. 67-69

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抄録

芳香族ラジカル置換に対する局在化エネルギーおよびラジカル付加中間体の安定性についての考察から,多核芳香族化合物はベンゼン誘導体より容易にアミノ化されると推論されるので,このような基質としてアントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム(シルバソルト)を選び,水中および濃硫酸中でヒドロキシルアミン塩~硫酸鉄(II)(微量)系アミノ化試薬でアミノ化を行なった。その結果,シルバソルトのアミノ化は安息香酸のアミノ化より著しく高い収率でアミノ化物を生じた。濃硫酸中では1-アミノアントラキノン-2-スルホン酸,2-アミノアントラキノン-3-スルホン酸および1,4-でアミノアントラキノン-2-スルホン酸を生じた。これに反し水中でのアミノ化生成物は1-アミノアントラキノン-2-スルホン酸のみであった。アミノ化結果から,・NH2の攻撃は1-位に起こりやすいことが示された。

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