工業化学雑誌
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置換アミノメチル基を有するビス(ベンズオキサゾリル)エチレン型ケイ光増白染料
丸出 雄士黒木 宣彦小西 謙三
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1964 年 67 巻 1 号 p. 155-159

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抄録

合成繊維用とくにポリアクリロニトリル系繊維用のケイ光増白染料をうるため,当繊維がカチオン型染料によって鮮明に,しかも日光堅ロウに染色されることに着目し,ポリエステル繊維用のケイ光増白染料Unitex ER類の主成分であるα,β-ビス(5-メチルベンズオキサゾリル-(2))-エチレン(A)をカチオン型に導く方法の一つとして,濃硫酸を溶媒としパラホルムアルデヒドとクロルスルホン酸でクロルメチル化し,得られたクロルメチル誘導体を種々の第一アミンおよび第二アミンと縮合して置換アミノメチル誘導体を合成した。これらは固体状,あるいはジメチルホルムアミド溶液でケイ光を示さないが,酢酸酸性で水に可溶となりケイ光を示す。さらに,硫酸ジメチルで4級化した誘導体は水に易溶でありケイ光を有する。これらの化合物でピニロン,アセテート,アミランおよびカシミロンFを染色し,その増白効果,ならびに増白布をカーボンアーク燈退色試験機中で照射して布のケイ光強度の減少を測定することによって耐光堅ロウ性を試験した。ジエチルアミン,ピペリジンおよびα-ピペコリンとの縮合物を4級化した誘導体はアクリル系繊維(カシミロンF)に対して増白効果および耐光性ともすぐれた結果を与えた。

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