工業化学雑誌
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8-アセチルアミノ-4-メトキシ-1-ナフ卜ールをカップリング成分とする1:2型金属錯塩アゾ染料の合成
鈴木 博信三吉 玲子佐野 捷造飯田 弘忠
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1964 年 67 巻 1 号 p. 124-128

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抄録

青ないし緑色の新しい1:2型金属錯塩アゾ染料を創出するのを目的として,8-アセチルアミノ-4-メトキシ-1-ナフトールなる文献未記載の化合物をカップリング成分とする5種類のo,o'-ジオキシアゾ色素を合成し,これをクロムまたはコバルトの1:2型錯塩染料として,その染色特性を検討した。結果はつぎのごとくである。
1)8-アセチルアミノ-4-メトキシ-1-ナフトールは8-アミノ-1,4-ナフトキノンをメタノール中で塩化スズ(II),酸塩化リンと処理して,8-アミノ-4-メトキシ-1-ナフトール(mp130℃,白色針状結晶,ホスゲンによって4-メトキシ-O,N-カルボニル-8-アミノ-1-ナフトールを生成,mp254~255℃,無色針状結晶)とし,これをアセチル化して合成した。mp142.5~143℃,無色針状結晶。
2)ここで得られた染料で羊毛を染色するとクロム錯塩染料では青,コバルト錯塩染料では紫ないし青色が得られた。これらの染料は色も美しく,諸種の堅ロウ度もすぐれたものであった。
3)ジアゾ成分として用いたアミノフェノール類の置換基が染料の色に及ぼす影響は一般につぎの順に深色的であった。
4-Cl<4-SO2NHC2H5,4-SO2CH3<4-NO2
(置換基の前の数字はアミノフェノール類のOHに対する置換位置をあらわす。)

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