尿素とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で種々の条件下に反応させ,生成してくるメチロール尿素を2次元ペーパークロマトグラフィーによって検討した。尿素はそのメチロール化反応において低温,低アルカリ濃度の反応ではホルムアルデヒドに対して,あたかも3官能性のように働き,モノ,ジおよびトリメチロール尿素は容易に生成するが,テトラメチロール尿素はホルムアルデヒドを大過剰に用いた場合でも極めて生成しがたい。しかし高温,高アルカリ濃度の反応ではテトラメチロール尿素も容易に生成する。このことはホルムアルデヒドによって置換されるべきトリメチロール尿素の水素がキレート環を形成して安定化するためと推察される。なお尿素と大過剰のホルムアルデヒドとを氷水中で反応させた混合物からトリメチロール尿素をエーテル誘導体として単離し得た。
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