日本化学会誌(化学と工業化学)
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流通法による粉体の表面積測定法に関する研究
宮谷 大作
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1992 年 1992 巻 9 号 p. 887-891

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抄録

流通法を用いるBET法による表面積測定の測定条件のうち,混合ガスの流速および混合割合,試料管の型および大きさなどについて検討を行い,流通法による粉体の表面積測定に新たな知見を得ようとした。
測定装置はガスクロマトグラフィーを改造して得た。試料管として,ガラスで伜られた水平型と垂直型をそれぞれ3種用いた。吸着ガスとして窒素を用い,吸着温度は一196℃(Liq.N2)である。ヘリウムをキャリヤーガスとし,同時にN2の分圧を変化させる希釈ガスとした。粉体としてアルミナ(200メツシュ)を用いた。
Heの流速が10~50ml/minの範囲において,また,N2の相対圧力(x=P/Pも)が0~0.4の範囲においてN2の増加量(減少量)と積算計で得られるピーク面積とに比例関係が保持されることを実証し,これらの測定条件のもとで,表面積を測定した結果,試料管の種類により,比表面積に一定値が得られないことtすなわち,水平型の試料管の場合,試料の試料管への充墳率が20%から40%の範囲にあるときのみ比表面積が一定値を示し,垂直型の場合,その充填率が40%を越えたとき一繭定値を示すことを明らかにした。

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