酸性雨の長期降雨の影響による表層土壌内の環境変化を研究する目的で,画名古屋市北部に降下する雨水のpHおよび雨水中の硝酸イオンと硫酸イオソの濃度を灘定するとともに,実験フィールド内に設置した各種土壌試料を実際の降雨にさらして,降雨によって生じた土壌浸出水中の両イオソの濃度変化0を継続的に測定し,観測を行った。1989年6月より1990年6月までの1年間に観測した,名古屋工業技術試験所内の野草の生えている表層土壌試料について得られた結果では,土壌浸出水中の硝酸イオンおよび硫酸イオンの濃度はY季節的な変動をしていることが観測された。すなわち,野草をはじめとする植物の成長が活発な春や夏には,両イオンの濃度は減少し,秋や冬には増加し,植物による両イオンの摂取が観測された。得られたデ.._.タから,降雨水のpHと土壌浸出水のpHの関連を推測した。また,降雨によって生じる土壌浸出水中に供給される年間の硝酸イオソと硫酸イオンの量を概算し,酸性雨成分の土壌環境におよぼす影響の相違について,市街地土壌と森林土壌を比較して議論した。
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