日本化学会誌(化学と工業化学)
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グラファイト炉-原子吸光分析法および放射化分析法によるハマグリ貝殻中のマンガンの定量と分布
藤野 治松井 正和永広 徹中口 譲平木 敬三
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1988 年 1988 巻 2 号 p. 153-156

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抄録

ハマグリ貝殻中のマンガンの定量方法と分布について,グラファイト炉-原子吸光分析法(AAS法)および放射化分析法により詳細な検討を行なった。その結果,酸分解したハマグリ貝殻試料溶液をそのままグラファイト炉アトマイザーに直接挿入するAAS法(直接法)と溶媒抽出法を前処理に用いたAAS法および放射化分析法によって得られた各値はよく一致した。とくに直接法は共存塩類からの干渉もないため,迅速に,精度よく,感度よく定量できることが明らかとなった。得られたハマグリ貝殻中のマンガン含量は0.61~7.30μg/gであり,その分布は殻頂から腹縁にかけて大きく減少する傾向にあることが認められた。

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© The Chemical Society of Japan
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