1988 年 1988 巻 8 号 p. 1141-1145
鉛, 亜鉛, 金などの金属薄膜を被覆した p型 GaP 電極の, 第四級アルキルアンモニウム塩水溶液中での, 二酸化炭素 (CO2) の光電気化学的還元に対する金属被覆の効果と, 電気化学挙動を研究した。ゴタノ金属被覆は, 電極の分光光電流の減少をもたらしたが, 鉛被覆の場合 CO2 の還元途中に被膜が金属光沢を示すようになり, その後, CO2 の還元効率は上昇した。このことは, 水素過電圧の高い金属状の鉛が競争反応の水素生成を抑制し, CO2の還元に対する触媒活性が大きいことを示唆している。金の被覆は, p型 GaP 電極の劣化を防止し, 還元光電流の安定化に役立った。第四級アルキルアンモニウム塩水溶液中において, 支持電解質の陽イオンの大きさは, ギ酸の生成効率にはあまり影響しないが, 一酸化炭素生成にはより大きな陽イオンが望ましいことがわかった。
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