日本化学会誌(化学と工業化学)
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ビス(チオカルボン酸)セレンおよびテルルの合成とハロゲンとの反応
加藤 晋二小野 嘉孝宮崎 貞伊藤 勇治青山 隆充石田 勝村井 利昭
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1987 年 1987 巻 7 号 p. 1457-1463

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抄録

チオカルボン酸カリウムまたはピペリジニウム塩と四塩化セレンもしくはセレノペンタチオ酸ナトリウムとの反応および四塩化テルルもしくはテルロペンタチオン酸ナトリウムとの反応から,対応するビス(チオカルボン酸)セレン〔1〕およびテルル〔2〕が得られる。〔1〕1および〔2〕は塩素,臭素,およびヨウ素と0℃付近で反応し,それぞれS-SeおよびS-Te結合が開裂して生成したとみられるビス(チオアシル)ジスルフィドを与える。一方,テルル誘導体〔2〕と臭素との-30℃ での反応からは臭素がテルルに付加したビス(チオカルボン酸)テルルジプロミド〔3〕が単離される。さらに〔3〕は0℃付近で徐々に分解しアシルチオ=プロミドを生成する。これらの結果から,〔1〕および〔2〕とハロゲンとの反応では初期段階でハロゲンがセレンまたはテルルに付加し,ついでアシルチオ=ハロゲニドに分解するものと見られた。またカウンターとしてアシルチオセレノ=およびアシルチオテルロ=ハロゲニドの生成の可能性が大きいと推測された。

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