1985 年 1985 巻 5 号 p. 919-924
テトラリンによるWandoan炭の無触媒液化反応を,450℃,60MPaまでの加圧下で流通法によって行ない,生成物を通常の溶媒抽出法によって未反応炭,プレアスファルテン,アスファルテン,およびオイルの各成分に分別定量した。各成分収率の経時変化を求め,これらについて数学モデルによる反応工学的解析を行ない,液化反応のそれぞれの過程に対する圧力効果を求めた。その結果アスファルテンからオイルを生成する過程に対する圧力の促進効果がもっとも大きく,Wandoan炭からプレアスファルテンを生成する過程と,プレアスファルテンからアスファルテンを生成する過程は同程度に圧力によって促進されることがわかった。一方,Wandoan炭から直接オイルを生成する過程は加圧によって抑制された。Wandoan炭共存時におけるテトラリンの挙動に対する圧力効果についても検討した。
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