日本化学会誌(化学と工業化学)
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2,4-ビス(ヒドロキシメチル)-3-ペンツロースの選択的生成におよぼず諸因子の影響
重政 好弘坂井 仁中島 路可
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1982 年 1982 巻 10 号 p. 1626-1632

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抄録

メタノール溶媒で選択的に合成された2,4-bis(hydroxymethyl)-3-pentulose(2,4-BH-3-P)の生成因子に関して検討を加えた。触媒として用いたバリウム塩のアニオン部は溶存パリウムイオン濃度に影響を与え,ホルモース反応速度を支配ナるが,2,4-BH-3-Pの生成に関してはその種類によらない。臭化パヅ1ウムー水酸化カリウム系触媒での水の添加効果は,水の添加量,15vo1%以下では2,4-BH-3-Pが主生成物であるが,25vol%以上になると,2,4-BH-3-Pの還元物である2,4-bis(hydroxymetyl)pentitol(2,4-BHP)などの糖アルコールが主生成物となった。種々のアルカリ土類金属塩-水酸化カリウム触媒を使用した場合,水媒体ではCannizzar反応が進行しやすく,ホルモース反応を生起させるためには反応系のpHの低下を防ぐこと,あるいは[触媒]/[HCHO]比を所定の値以上にすることが必要である。また,メタノール溶媒では,ストロンチウム,バリウムはカルシウムよりもすぐれた触媒能を有し,その触媒能は触媒の溶解性とよい対応を示した。ストロンチウムは3-(hydroxymethyl)pentofuranoseと2,4-BH-3-Pを,バリウムは2,4-BH-3-Pを主生成物として与えた。

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