日本化学会誌(化学と工業化学)
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フタル酸ビ落(2-エチルヘキシル)とフタル酸ジオクチルの熱分解
道祖土 勝彦黒木 健池村 糺桐澤 誠
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1982 年 1982 巻 7 号 p. 1212-1217

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抄録

フタル酸エステル系可塑剤の代表的な化合物であるフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP),フタル酸ジオクチル(DOP)を試料として熱分解反応を実施し,その熱特性を検討した。反応は石英製流通き系装置を用い,250~500℃ の温度範囲を滞留時間2.2~8.4秒の条件によって,また窒素ガスと試料の希釈モル比を20として実験を行なった。
反応生成物はDEHPで2-エチル-1-ヘキセン,2-エチルヘキサナール,2-エチル-1-ヘキサノール,フタル酸,無水フタル酸,フタル酸水素2-エチルヘキシル,DOPでは1-オクテン,オクタナール,1-オクタノール,フタル酸,無水フタル酸,フタル酸水素オクチルであった。定量された主要成分は脂肪酸エステルの熱分解反慈でよく知られているシス脱離反応によって説明されるがオクタナールなどのアルデヒドが見いだされたことから熱による側鎖の直接切断も存在することを示した。DEHP,DOPの未反応量を実測することによって得られた反応速度式は以下のとおりである。
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