日本化学会誌(化学と工業化学)
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Mossbauerスペクトル法およびX線回折法による鉄(III)塩水溶液の加水分解生成物の分析
大藪 又茂氏平 祐輔
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1979 年 1979 巻 5 号 p. 624-630

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抄録

pH1.5~1.8の鉄(III)水溶液を加熱すると,鉄(III)イオンの加水分解と重合が進行し,加水分解生成物としてFeOOH,Fe2O3などが生成する。溶液中に存在する陰イオンの種類および濃度と生成物の種類や結晶形との関連を検討し,これらは陰イオンを配位した鉄(III)錯体の安定度および陰イオンの濃度に依存することが明らかになった。またβ-FeOOHに含まれる塩素あるいはフッ素,α-FeOOHに含まれる臭素量と鉄(III)の原子数比を測定し,それぞれ,O.15,0.55および0.012であることを示した。水洗による塩素のβ-FeOOHからの脱離の挙動をα-FeOOHからの臭素の脱離の挙動と比較し,塩素は強く結晶中に取り込まれているのに対し,臭素は結晶の表面に単に吸着していることが明らかになった。

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