1978 年 1978 巻 11 号 p. 1547-1551
シリカーアルミナにNi,Pd,Ptを担持させた二元機能触媒を用いて,試作したバッチ式の反応装置により,水素存在下ポリエチレンのガス化反応を行なった。反応温度を300~600°Cの範囲で変化させ,各種触媒の効果および生成炭化水素ガスの組成におよぼす影響について検討した。
無触媒の場合,反応温度600,C以上でガス化率は急激に上昇し,エチレン,プロピレン,ブテン類を多く含有するガスが得られた。-方,シリカーアルミナ触媒をポリエチレンに対して15wt%添加するとガス化率は反応温度450℃で75wt%に達した。Niをシリカーアルミナに担持させた触媒でも,ガス化率は低温で急激に上昇し,生成炭化水素ガスの90%ぐらいはインブチレンを主体とするブテン類であったが,PdまたはPtの場合はエタンを主体としたパラフィンの割合が増加した。Niの担持量は0.4wt%ぐらいのときガス化率は85wt%以上を示し,Pd,Ptではガス化率がいちじるしく減少した。担持量を増加させたとき,寅iでは生成ガス中のオレフィンの割合に変化がないのに対し,PdまたはPtではブテン類が減少した。ポリマーに対しH,供給量2。5wt%まではガス化率が増大するが以後飽和に達した。
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