日本化学会誌(化学と工業化学)
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ミッシュメタルをベースとした合金の水素吸蔵,放出特性
大角 泰章鈴木 博加藤 明彦中根 正典三宅 義造
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1472-1477

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抄録

ミッシュメタル(Mm)をベースとした合金MmNi5,MmCo5,Mm1-のA貰Ni5およびMm,嬬A灘Co5(A:fii,Ca)の永素吸蔵,放出特性について検討した。MmNi6およびiは室温において水素を吸蔵し3MmNi5H6.3,MmCo5H3.oの水素化物を生成した。解離等温線から求めた水素化物のエンタルピー変化はそれぞれ-6.3,-9.6kcal!molH,であり,解離圧は20℃において13,0。6atmであった。これらの合金の水素吸蔵,放出速度は大きく,室温付近における水素放出率は約80%であった。MmNi5の水素吸蔵,放出のくり返しによる性能劣化は110回まで認められなかった。
M叫畷Ti3Ni5(=0.1~0.25)およびMm1-CNi5(σ=0。1~0。75)は室温において水素を吸蔵して水素化物を生成した。これらの水素化物の解離圧はミヅシュメタルをチタンで置換すると劣の増大とともにMmNi5より高くなり,カルシウムで置換するとxニ0.5以上で低くなる傾向を認めた。Mmo.5,Cao.5Ni5はMm。.5cao.5Ni5H5.の水素化物を生成し,そのエンタルピー変化は-M。6kcalmolH2,20°Cにおける解離圧は5atmであり,水素貯蔵材料として好ましい特性を有している。Mm1-Ji劣C。石の場合,誕1ではMmQ,9TiCo5H3.4の水素化物を生成するがt諾=0.25~0.75では水素の吸蔵,放出特性を示さなかった。

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