1978 年 1978 巻 8 号 p. 1137-1143
マレイソ酸一スチレン交互共重合体(MASt)とアクリジソオレソジ(AO)との相互作用を,分光測定,pH滴定により検討した。MASt-AO系の吸収スペクトルはMAStとAOとのモル比(Cp/Cd)やMAStの形態によって異なり,コンパクト形態のMAStに対しては,C,/C, 10の領域でCp/C,値の増加にともない結合AOの吸収スペクトルが単量体による吸収帯を示すようになることから,側鎖フェニル基に基づく疎水領域の存在が裏付けられた。また,スペクトルシミュレーションによって分離された結合AOの単量体による吸収帯の強度が,MAStの第一カルボキシル基の中和度に対してシグモイドカーブを示し,MAStのコンパクト ルーズコイル転移を反映するoptieal probeとなること,変形滴定曲線から得られるMASt-AO系の転移領域はAOを含まない系のそれよりも高解離側にシフトしていることから,AOの結合によってMAStのコソパクト形態が安定化されていることがわかった。
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