日本化学会誌(化学と工業化学)
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N-(メシルオキシ)フタルイミドおよびN-(メシルオキシ)スクシンイミドとアミン類の反応
今井 淑夫上田 充石森 元和
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1975 年 1975 巻 12 号 p. 2154-2160

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抄録

N-(メシルオキシ)フタルイミド(MSOP)と各種アミンの反応によるo-ウレイドベンズアミド体[1]とキナゾリンジオン体[2]の生成機構について検討した。MSOPとアニリンを受容剤としてピリジンを用いて室温で反応させるとo-(N'-フェニルウレイド)ベンズアニリド[1a]が生成したが,一方,同じ反応をトリエチルアミンの存在下に行なうと3-フェニルキナゾリン-2,4-ジオン[2a]が得られた。また,MSOPとベンジルアミンをトリエチルアミンの存在下に反応させた場合にはN-ベンジル-o-(Nし歳ンジルウレイド)ベンズアミド[1b]が生成した。この反応の生成物は反応溶媒によりほとんど影響を受けないが,アミンや酸受容剤の塩基性度に大きく依存する。これらの結果から,本反応には,中間体のしo-インシアナトベンズアミド体[6]ともう1分子アミンの分子間付加反応により[1]の生成する径路Aと,中間体[6]の分子内付加反応により[2]の生成する径路Bが存在することを推測した。一方,N-(メシルオキシ)スクシンイミドど各種アミンの反応は,反応条件によちずにすべて径路Aにしたがって進行し,3-ウレイドプロピオンアミド体[8]を与えることを認めた。

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