日本化学会誌(化学と工業化学)
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シクロヘキサジエニリドイオンとアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属メトキシドイオンの相互作用
大沢 茂樹永末 浩猷
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 79-85

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抄録

Meisenheimer錯体および類似錯体のシクロヘキサジエニリドイオンとアルカリ金属イオン,およびアルカリ土類金属メトキシドイオンの相互作用は,シクロヘキサジエニリド環と結合しているNO,基の同一平面性とシクロヘキサジエニリド環のπ電子の非局在化の度合に関連しているe 金属陽イオンとシクロヘキサジエニリドイオンとの相互作用の研究から,反応速度,IRスペクトル,NMRスペクトルおよび誘電率を測定した。その結果から錯体の安定度と構造との関係についてつぎのようないくつかの知見が得られた。
(1)錯体の安定度はNO,基の数と陽イオンの電荷の強さの順に決定される。すなわちNao<R<Cs+<K÷およびCa+OCH3 Sr℃CH,(Ba"OCH3である。
(2)錯体のケタール結合および〓R齢のIRスペハルは,そ妨の陽イナンの影獣よって異なる。
(3)錯体が不安定であるほどNO2基のIRスペクトルの強度は大きい。そして錯体がより安定になれぽそれは現われない。
(4)錯体のyasm NO2とysm NO2の波数は錯体が不安定になるにしたがって,最終生成物の波数に近づく。

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