1974 年 1974 巻 12 号 p. 2297-2302
結晶水和物溶融体が電解質-水系で占める位置を明らかにすることを目的とし,FeCl3-H20系について粘度,電気伝導度,密度,屈折率,レーザーラマンスペクトル,近赤外吸収スペクトル,可視吸収スペクトルをいろいろの濃度について測定した。物性と濃度のプ冒ヅトに5~6mol/l付近に屈曲点,極大点を見いだし,その濃度付近を境に,ラマン,近赤,可視に異なったスペクトルを得た。それら2種の溶液構造形成には,濃度,温度,H+濃度が大きく影響した。これら2種類の溶液構造は,Fe3+の配位数が六配位から四配位へ変化することに基づくものと解釈される。FeCl3・6H20溶融体は,FeCl3-H20系においては,四配位構造域に位置した。
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