日本化学会誌(化学と工業化学)
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KarlFischer滴定法による火山岩中の水の定量法(I)
山谷 和久吉田 稔小沢 竹二郎
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1974 年 1974 巻 11 号 p. 2111-2117

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抄録

火山岩中の微量の水を定量するため,キャリヤーガス浄化部,試料加熱部,ガス酸化部,水分測定部の4部からなる定量装置を組み,キャリヤーガスとしては-定流速の乾燥窒素ガスを,試料を加熱するには炭素製の円筒形の発熱体と高周波誘導加熱炉を,また水分定量にはKarlFischer電気滴定装置を用いた。石英ルツボに入れた火山岩試料(1,0~0.259)を燃焼管中にセヅトしたのち,定量装置系に乾燥窒素ガスを流して全系の水分を除去したのち,試料を加熱(1200℃以上)し,試料中から放出した水を-定流速の乾燥窒素ガスとともにKarlFischer滴定フラスコ中のメチルアルコール,エチレングリコール(1:1)無水混合溶媒中に導入し,水分を吸収させ,KarlFischeτ試薬(表示力価0.5πngH20/mJ)を用いて定量後,測定中に流した窒素ガス中の永分量(空試験値)を補正する。
本法の定量精度は土0,Q2mgであった。結晶硫酸銅,北海道白滝産黒曜石および地球化学的岩石標準試料JB-1(チタン輝石カンラン石玄選岩)の水分定量値の変動係数は0,16%,0,28%,および0,14%であった。本法は最近発表された数種の定量法と比較してもっとも感度,精度および正確さの高い定量法である。

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