Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
サルベージとしての経皮胆道ルートからのランデブーERCPの有用性
高橋 幸治露口 利夫杉山 晴俊熊谷 純一郎大和 睦実妹尾 純一林 雅博中村 昌人安井 伸三方 林太郎
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キーワード: ランデブー法, ERCP
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2017 年 90 巻 1 号 p. 55-58

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抄録

【目的】ERCP不成功例における,サルベージとしての経皮経肝胆道ドレナージルートからのランデブー法を用いたERCPの有用性を検討すること.【方法】2012年1月から2016年4月までの期間で,当院において通常のERCPが不成功のため,経皮的胆道穿刺経路を用いたランデブー法でERCPを行った症例を後方視的に抽出し,手技完遂率と偶発症発生率について検討を行った.【結果】対象は14例であり,治療対象とした疾患の内訳は,総胆管結石6例(43%),膵癌3例(21%),肝細胞癌1例(7.1%),肝外胆管癌1例(7.1%),良性胆管狭窄1例(7.1%),GIST 1例(7.1%),胆囊摘出術後胆汁漏1例(7.1%)であった.手技完遂率は93%(13/14例)であった.腸管再建術後の症例は4例(29%)であり,内訳は,胃全摘Roux-en-Y再建が2例と,幽門側胃切除後Roux-en-Y再建が2例であった.4例全例において,ランデブー法で胆管処置を完遂できた.偶発症は1例(7.1%)で胆汁漏がみられたのみで,保存的に軽快した.初回内視鏡挿入時に主乳頭を同定できなかった4例中3例でランデブー法での手技完遂に成功した.【結論】ERCP不成功例に対するサルベージとして,EUS-BDが広まりつつあるが,経皮的胆道ドレナージルートからのランデブー法を用いたERCPは完遂率が高く偶発症は少ない有用な手段といえる.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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