1994 年 35 巻 1 号 p. 53-58
本研究では計算能力に関して文脈依存性を調査した。数学の調査問題1種類とオームの法則に関する調査問題を2種類作成した。3種類の調査問題は計算に関しては全く同一である。一方のオームの法則に関する調査問題は数学で用いられる変数を用いて作成された。他方のオームの法則に関する調査問題は理科で用いられる変数,単位を用いて作成された。数学の問題は数学教師によって数学の時間に実施された。オームの法則に関する問題は理科の教師によって理科の時間に実施された。明確な文脈依存性が存在した。多くの生徒は数学の問題では正解することが出来た。しかし,その生徒達の一部は理科で用いられる変数や単位を用いたオームの法則に関する問題は正解できなかった。