1955 年 8 巻 6 号 p. 240-242
SZYBALSKI等1) は大腸菌のneomycin耐性株はstreptomycinにも耐性となるが, 逆にstreptomycin耐性株はneomycin耐性とはならないと述べ, 著者等2) も赤痢菌, 大腸菌サルモネラについて同様の所見を認めた。内藤3) は, 赤痢菌についてpenicillinとchlortetracycline, chloramphenicol, oxytetracycline等との間に同様の現象を認め, これを不完全交叉耐性と称している。私は前報4) 5) 6) において, collateral sensitivityのある場合の併用による耐性獲得防止効果について報告したが, 今回は不完全交叉耐性のあるstreptomycin, neomycinの組合わせについて同様の実験をおこない, 交叉耐性が耐性獲得防止に, どのように影響するかを明らかにしようとした。