1953 年 6 巻 8 号 p. 405-412
最近, 抗生物質の使用が普遍化した結果, モニリア症が多く発生し, これに対する種々の抗黴物質の研究が企てられ, 細谷教授のTrichomycin, Rotaventin (昭27), 梅沢博士のPhaeophacin, Moldin. 若木博士のChromin, 相磯博士のMycelinその他Tyrothricin, Tricocidin, Streptocin, Hygroscopin, 黒屋教授のFlavacid (昭27) 等が発表されるに至った。
私はこのFlavacidをトリコモナス腟炎患者に使用する機会を得たが, その治療効果は極めて優秀で, その作用機序も従来の薬剤と異なることを認めたので茲に報告する。