The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAzithromycinの基礎的, 臨床的検討
岡田 泰助町田 裕美子藤枝 幹也島崎 洋成倉繁 隆信
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1996 年 49 巻 11 号 p. 1024-1029

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抄録

経口用マクロライド系抗生物質である Azithromycin (AzM)による小児科領域の気道感染症の治療および体内動態に関する検討を試み, 以下の結果を得た。
1歳から10歳までの小児15例に対してAZMを1日1回8.9~14.7mg/kg, 3~4日間投与した。そのうち3例についてAZM投与後の体内動態を検討したところ, 最終投与の72時間後において0.037μg/mlの血漿中濃度と, 72~96時間後において10.9μg/mlの尿中濃度が検出された。効果判定が可能であった14例の臨床効果は肺炎7例全例著効, 急性気管支炎3例, マイコプラズマ肺炎2例, 扁桃炎1例では全例有効, マイコプラズマ気管支炎1例ではやや有効であった。全体の有効率は92.9% (13/14)であった。副作用は1例に中等度の下痢が認められたが, 臨床検査値の異常変動は認あられなかった。
以上のことから, AZMは小児科領域の気道感染症の治療に有用な抗生物質であると考えられる。

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