The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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造血器疾患に合併した重症感染症に対するCefuzonamの有効性と安全性の検討
阪神造血器疾患感染症研究グループ
長谷川 廣文堀内 篤陰山 克木谷 照夫巽 典之赤坂 清司米沢 毅正岡 徹安永 幸二郎川越 裕也永井 清保
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1992 年 45 巻 11 号 p. 1460-1468

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抄録

造血器疾患に合併した重症感染症151例に対し, Cefuzonam (CZON) を投与し, その有効性と安全性について検討した。CZONの投与量, 投与方法は1日2.0~6.0gを2~3回に分割し, 静注又は点滴静注により投与した。
その結果, CZONの臨床効果は著効34例, 有効40例, やや有効5例, 無効57例であり, 有効率は54.4%であつた。投与後の好中球数が500/μl以下の症例で43.8%, 100/μl以下の症例で35.9%の有効率が得られた。起炎菌が同定された例での有効率は, 70.6% (グラム陰性菌66.7%, グラム陽性菌80.0%) であつた。これに対して, 起炎菌の同定されなかつた例での有効率は52.1%であった。他剤先行投与抗生物質無効例に対する有効率は41.5%であつたが, この中で先行抗生物質が1剤の場合の有効率は50.0%であった。
安全性評価では副作用2例, 検査値異常4例の合計6例, 3.9%であった。

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