1989 年 42 巻 1 号 p. 200-207
新しいアミノ配糖体系抗生物質Arbekacin (HBK) を健康成人3例, 腎機能障害患者6例に投与し, 血中濃度及び尿中排泄を検討した。血中濃度は, 微生物学的測定法 (Bioassay法), 螢光偏光イムノアッセイ法 (FPIA法) 及び高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法で測定した。腎援能の指標としては24時間内因性クレアチニン・クリアランス(Ccr)を用い, 薬動力学的解析はTwo-compartment modelこ従つた。腎機能低下に伴い血中濃度は高く推移し, 尿中回収率は低下する傾向が認められ, Ccrと血中濃度半減期, Ccrと濃度曲線下面積との間にそれぞれ有意の双曲線的相関関係が認められた。又, Bioassay法, FPIA法, HPLC法の成績はそれぞれよく相関した。