The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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小児科領域におけるSultamicillin細粒の使用経験
春田 恒和黒木 茂一山本 初実大倉 完悦筒井 孟小林 裕
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1988 年 41 巻 12 号 p. 1947-1953

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抄録

小児細菌感染症18例にSultamicillin細粒1回7.3~10mg/kgを1日3~4回経口投与し, 以下の成績を得た。
1. 扁桃炎16例では著効13例, 有効2例, やや有効1例, 気管支炎, 肺炎各1例ではいずれも有効で, 計18例での有効率は94.4%であつた。
2. 細菌学的効果は, Staphylococcus aureus 5株中4株消失, 1株不変, Haemophilus influenzae 7株中3株消失, 1株減少, 3株不変, Streptococcus pyogenes 2株とHaemophilus parainfluenzae 3株はすべて消失し, 計17株での消失率は70.6%であつた。この中にはβ-Lactamase産生株が4株, その疑いのあるものが3株含まれ, うち5株は消失した。
3. 副作用として, 下痢, 軟便を各2例に認め, 下痢は本剤と関連ありと考えられた。臨床検査値異常としては, 1例に軽度のGOT上昇をみただけであつた。
4. 本剤の味と匂いは小児に受入れられやすいものと考えられた。

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