The Japanese Journal of Antibiotics
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7, 12-Dimethylbenz (a) anthracene誘発ラット乳癌に対するPeplomycinの抗腫瘍効果
海老原 和雄西川 清広柴崎 千恵子高橋 克俊松田 明
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1987 年 40 巻 9 号 p. 1566-1570

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抄録

7, 12-Dimethylbenz (a) anthracene (DMBA) を尾静脈投与後75日目から, Peplomycin (PEP), Bleomycin (BLM) 及びDoxorubicin (Adriamycin, ADM) を週3回, 計24回皮下投与し, DMBA誘発乳癌に対する抗腫瘍効果を比較した。薬剤投与開始時点ですでに存在していた腫瘍の増殖をPEPは強く抑制した。又, 治療前後の腫瘍体積の比による個々の腫瘍の効果判定においても, PEPは有効性を示した。すなわち, 対照群に比べ, PEP投与群では増大した腫瘍数は著しく少なく, 不変例数が増加していた。更に, 対照群にはみられなかつた消失例や縮小例が得られた。又, PEPは投与期間中に新たに発生した腫瘍の増殖も強く抑制したが, その発生時期の遅延効果は小さかつた。このPEPの抗腫瘍効果の程度は親化合物であるBLMより強く, ADMと同程度であつた。

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