The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるFlomoxefの基礎的, 臨床的検討
久野 邦義中尾 吉邦早川 文雄三浦 清邦宮島 雄二石川 秀樹木村 宏
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1987 年 40 巻 8 号 p. 1393-1406

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抄録

新しく開発されたOxacephem系抗生剤であるFlomoxef (FMOX, 6315-S) につき基礎的, 臨床的検討を行い, 下記の結果を得た。
1.当科臨床分離株に対するMICを測定し, Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Haemnophilus influenzae等に優れたMIcを示した。特にStaphylococcus aureusに対してはメチシリン・セフェム耐性S.aureus (MRSA) を含めLatamoxef, Cefmetazole, Cefazolin, Ampicillin, CloXacillin, Methicillinに比較して最も優れた抗菌力を示した。
2.FMOXを20mg/kg7例, 40mg/kg4例にOneshot静注した時の平均血清中濃度のピークは投与後15分でそれぞれ35.3, 77.7μg/mlで, 半減期の平均は0・75, 0.95時間であった。投与後6時間までの尿中回収率は71・9, 65.1%であつた。
3.25例の小児期細菌感染症 (肺炎19例, 膿胸1例, 尿路感染症5例) に本剤50~138mg/kg/日を3~4回に分けて投与し100%の有効率を得た。細菌学的にも90・6%の有効率を示した。
4.副作用は認めなかつた。検査値異常としては好酸球増多1例, 血小板増多2例・GOT・GPT上昇を3例に認めた。

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