The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefmenoximeの胆汁中及び胆嚢炎症病巣への移行に関する検討
圓谷 博安藤 善郎君島 伊造渡辺 岩雄阿部 力哉舟山 尚川口 吉洋
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1986 年 39 巻 9 号 p. 2381-2385

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抄録

Cephalosporin系抗生物質であるCefmenoxime (略号CMX, Bestcall®) は従来のCephalosporin剤に比べグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示し, 又, 胆嚢組織, 胆汁中移行のよいことをわれわれは報告してきた1)。確かにCMXは胆嚢組織, 胆汁への移行が良好な抗生物質ではあるが, 病巣の炎症の程度によつてその移行に差異があるか否かについては, 明らかではない。これは胆嚢病変に限らず臨床的に炎症病巣を切除することが少なく, 特に急性炎症病巣内の抗生物質を測定できる機会が極めて少ないことに一因がある。抗生物質の感染炎病巣への到達性が検討された臓器としては, わずかに虫垂炎及び胆嚢について若干の報告がみられるにすぎない2, 3)。このような観点から, 胆汁, 胆嚢壁への移行の良好なCMXが炎症の程度の異なる組織部位で, 到達性が異なるか否かについて検討を加えた。

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