The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefmenoximeの骨髄血及び骨組織への移行について
倉田 順弘久志 本弘星 千冨油谷 安孝田鳥 考治柳井 尚浩住田 幹郎堀澤 欣弘
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1986 年 39 巻 9 号 p. 2374-2380

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抄録

整形外科領域において, 術後感染予防の目的で使われる抗生物質の役割は大きい。今までにも種々の広範囲抗菌スペクトラムの抗生物質が開発され, その薬効も著しく向上してきている。Cefmenoxime (略号CMX, Bestcall®) は, 武田薬品工業株式会社で開発されたCephem系抗生物質であり, 図1に示す化学構造を有する。本剤はグラム陽性, グラム陰性の好気性菌及び嫌気性菌に対して広範囲な抗菌スペクトラムを有し, β-Lactamaseに安定で, 他剤耐性のβ-Lactamase産生菌にも良好な抗菌力を示す。
今までに各種抗生物質の骨髄血及び骨組織への移行については, 多くの報告がある1~4)。CMXについても井上ら5), 熊野ら6) の報告がある。今回我々は, CMXが実際手術中その術野の骨組織及び骨髄血にどの程度の濃度で移行しているかについて検討したので, 若干の考察を加えて報告する。

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